株売買のマイルール
ルール1 | 人気銘柄を避ける |
ルール2 | 上昇期には長期投資を |
ルール3 | 株価と景気の関係を知る |
ルール4 | 投資顧問やネットで情報収集を |
ルール5 | 儲からない時期は休む |
ルール6 | 余裕資金の範囲内で |
ルール7 | 事業を興すのと同じような情熱 |
自分ルール1:人気銘柄を避ける
有望株とは将来、大きな値上がりが期待できる銘柄のことです。では、どんな銘柄が将来、大きく値上がりするのでしょうか。
現在、業績が好調な銘柄、高成長を続けている銘柄、人気を集めている銘柄、高PER(株価収益率)銘柄は原則として避けるべきです。それらはすべて現在の好材料がすでに株価に織り込まれています。別の新しい好材料が出てこない限り、それ以上の値上がりは期待しにくいです。
有望銘柄の条件
長期投資に徹する場合、次のような条件を3つ以上揃えている銘柄が有望です。
- 意外性の高い銘柄(不人気な業種、不人気な銘柄)
- 株価が実体価値を大きく下回っている銘柄(低PER銘柄)
- 業績変化率が大きい銘柄(赤字から黒字に転換する銘柄、増益幅が大きな銘柄)
- 将来高成長(高い利益成長)が期待できそうな銘柄
- 企業の買収・合併(M&A)に狙われやすい銘柄(資産を有効に活用していない会社、株主への利益還元に消極的な会社など)
初心者は日経平均ETFも
どんな銘柄を選べばいいか分からない人にお勧めの銘柄がETF(株価指数連動型投資信託)です。とりわけ、初心者には向いています。日経平均株価(日経225)か東証株価指数(TOPIX)に連動するETFを買っておけば、日経平均株価や東証株価指数の値上がりに伴って、ETFも値上がりします。初心者でも簡単に株式投資を楽しむことができます。
自分ルール2:上昇期には長期投資を
株式投資の鉄則は、長期投資と分散投資です。株式投資で大きな資産を残した投資家の多くが、この基本を忠実に守って株式投資を行っています。その反対は短期投資と集中投資となります。
長期投資とは、少なくても1~3年ほど(場合によっては5~10年ほど)にわたって株式投資をすることです。短期投資とは、せいぜい数週間、長くても3カ月程度をメドに投資することです。デイトレードに至っては、1日で売り買いを繰り返す超短期投資となります。
種類 | 投資期間 |
---|---|
長期投資 | 少なくても1~3年ほど(場合によっては5~10年ほど) |
短期投資 | せいぜい数週間、長くても3カ月程度 |
デイトレード | 1日で売り買いを繰り返す |
長期のメリット
短期投資では、大きな値上がりは期待できず、頻繁に売買を繰り返して、少ない値上がり益を積み重ねていくという投資法になります。これに対して、長期投資では投資した銘柄が大きく値上がりするのを何年でも待って、大きな収穫を得るという投資法です。
景気回復を伴って長期間上昇が続く大相場では、長期投資のほうが、メリットが大きいといえるでしょう。
持ち続けることで、大きな値上がり益
大相場では、どの銘柄も2~3年で平均して2~3倍程度(場合によっては4倍程度)に値上がりします。長く持ち続ける方が大きな値上がり益を手に入れることができます。
5~10%値上がりするたびに売ると・・・
大相場では、短期投資でも儲かりやすいことは事実です。ほとんどの銘柄が大なり小なり値上がりするからです。しかし、短期投資では儲かる割に資産があまり増ません。5~10%程度値上がりするたびに売ったり、買い直したりしたのでは、手元に残る利益は限られてしまうからです。
買い直すたびに株価が高くなる
また、買い直すたびに株価(買いコスト)は高くなるため、どこかで暴落に見舞われると「高値掴み」になりがちです。それまでの利益の大半を失うリスクが高くなります。そのうえ、売り買いするたびに証券会社に手数料を支払わなければならないため、投資家の利益は目減りります。
このように、大相場では短期投資は不利で、長期投資が有利なのです。
自分ルール3:株価と景気の関係を知る
株式投資で大きな成果を上げるためには、株式相場(株価)が今後、どう動くかを正確に予測することが大きなポイントとなります。そのためには、相場の習性を理解しておくことが大切です。
株式相場は景気と非常に密接な関係にあります。景気がよくなれば株式相場も上昇します。景気が悪化すれば、株式相場も下落・低迷します。
これは景気が良くなれば企業業績が良くなり、株主への利益還元(増配など)期待が高まることが大きな理由です。
株相場は、景気を先取りする
ただし、株式相場には景気に対する先行性があります。近い将来景気(企業業績)が良くなるという見通しが出てくると、その時点で景気回復を先取りして上昇を始めます。
このため、株価は景気の先行指標とも呼ばれ、一般に6~9カ月ほど先行して動くと言われています。
景気循環
景気は不況、回復、好況、失速という循環を繰り返して変動します。これを「景気循環」といいます。この循環は、在庫や設備投資、建設投資、産業革命、技術革新などいろいろな原因によってもたらされます。原因によって周期も異なります。
在庫や技術革新
私たちが最も身近に体験する景気循環は、在庫の変動が原因で起こる在庫循環です。その周期は平均で40カ月(3~4年)と言われてます。大相場が3~4年ほど続く傾向があるのは、この景気循環と無関係ではありません。
このように、相場全体の動向は、景気動向とほぼ並行して動きます。このため、景気の行方を注目していれば、株式相場の今後を予想することは可能なのです。
自分ルール4:投資顧問やネットで情報収集を
昔はほとんどの人が知らない極秘情報(インサイダー情報)を集めることが、株式投資で成功する秘訣のように言われていた時期もあります。
しかし、インサイダー情報を利用した株取引(インサイダー取引)が法律で禁止されました。それ以降は、公表された情報をどう活用して、有望株を発掘するか、ということが重要なポイントになりました。
さらに、スナップアップ投資顧問のように、一般個人に助言や有料情報を提供する会社も増えました。このため、今では情報面でプロとアマの格差が少なくなりました。
「日本経済新聞」「会社四季報」「チャート」
株式投資に必要な情報を収集するうえで「三種の神器」と呼ばれてたのが「日本経済新聞」「会社四季報」「チャートブック」です。バブル時代は、プロにとってもアマにとっても、この3つが有力な情報源でした。「会社四季報」に似た「日経会社情報」は廃刊になりました。
現在は、「日本経済新聞」「会社四季報」にはオンライン版があります。株価チャートについては、YahooファイナンスのようなWEBサイトでいくらでも閲覧できます。
さらに、ネットを利用すれば、大手証券や上場会社、証券取引所、各省庁、日銀、その他の情報を幅広く瞬時に利用することができます。ネットで情報をどう集め、どのような株式投資に生かすかが、今後の投資家にとって最大の課題になることは間違いないでしょう。
バブル時代の旧「三種の神器」の使い方
インターネットが登場する以前の「三種の神器」の使い方は、たいへんシンプルでした。まず、日経新聞などでタイムリーな情報(新製品・新技術の開発、業績の上方修正、M&Aなど)を集めます。『会社四季報』などで上場企業についての業績や財務内容、株主構成、材料などを調べます。そして、チャートブックで株価の動きをチェックします。そのうえで、投資するかどうかを判断しました。
情報源 | 使い道 |
---|---|
日経新聞 | タイムリーな情報を収集 |
四季報 | 業績や財務内容を調査 |
株価チャート | 株価の動きを分析 |
自分ルール5:儲からない時期は休む
株式相場には誰がやっても儲かる(可能性が高い)時期と、誰がやっても損する(可能性が高い)時期があります。誰がやっても儲かる時期にだけ株式投資を行い、誰がやっても儲からない時期には、株式投資を休むことが大切です。
大型の上昇相場なら、失敗が少ない
誰がやっても儲かる時期とは、景気回復に伴って株価が上昇する大型の上昇相場(いわゆる大相場)です。大相場の上昇初期から中期にかけて株を買い、後期に売れば、あまり失敗することはありません。こんな時は、ほとんどどんな銘柄でも値上がりするため、よほどヘマをしない限り、大半の人が儲かります。
大暴落の後の下げ相場は、プロでも大きな損失
一方で、誰がやっても儲からない時期は、景気や相場がピークに達していて、景気に失速懸念が高まっている時です。大暴落の後、景気悪化に伴って本格的な下げ相場に転じた時も同様です。こんな時には、プロでも株式投資に失敗し、大きな損失を出すことがよくあります。
8~10合目の時に売って、相場から離れる
つまり、株式投資で成功するコツは、景気や大相場を山にたとえると、1~2合目(遅くても5合目)ぐらいまでに株を買っておくことです。そして、8~10合目の時に売って、相場から離れることです。
大相場が終わる前に売却
大相場の終わりには大暴落がやってきます。その前に持ち株を全て売却する。そして、その後は株式投資を休む。それができる人だけが、株式投資で大きな資産を残すことができます。
自分ルール6:余裕資金の範囲内で
まず、株式投資は大きな値上がり益を期待できる半面、見通しが外れると、元手(元本)を大きく割り込む可能性があるリスク商品(ハイリスク・ハイリターン商品)であることをよく理解しておく必要があります。
借金は禁物
このため、株式投資は余裕資金の範囲内で行うことが鉄則です。損しても、それほど困らない範囲の資金で行ったほうが望ましいです。結婚資金や子供の教育資金など、近い将来、必ず使う予定の資金は株式投資に適しません。間違っても、借金をして株式投資をすべきではありません。
自分ルール7:事業を興すのと同じような情熱
大事な虎の子のお金を使って投資するわけですので、事業を興すのと同じような情熱を持って、株式相場や銘柄の研究をしましょう
証券会社の営業マンのアドバイスを受けなければ投資できないという人は、株式投資をすべきではありません。自分の判断で投資できるようになるまで、投資を見合わせるべきでしょう。
自己責任
リスク商品への投資は、自己責任が原則です。誰かに熱心に勧められたから投資するのではなく、自分でリスク商品の中身を徹底的に調べ、それが投資に値する商品かどうかを自分で考えて判断します。
売り買いは自分が決断して行い、その責任は自分が取るというのが、自己責任の基本的な考え方です。